大正ロマン風木製建具

2022年6月お客様からご連絡を頂きました。

そのお客様は弊社のホームページをご覧になり、以前弊社で行った「ミシン台リメイク」の記事を読んでご連絡頂いたようで、早速お伺いし、お困りごとを教えて頂きました!

お客様宅は玄関を入ると、エントランスとも呼べる大きな空間があり、ここにドアはついているのですが、そのドアを入ると、リビングから廊下までが1つの部屋のようになっていて、冬場は寒くて、暖房の効きも悪いそうで、間仕切りの為のドアが欲しいとのご要望でした。機能改善(無かった物を取り付けて、便利にするイメージ)リフォームはお困り事を解消することが絶対条件。今回のお困り事は「ドアを付ければ改善出来る」のですが、この先のご要望がお話を頂いてから竣工まで9ヶ月を要した理由なのですが・・・。

お客様は「大正ロマン風」のインテリアがお好きなようで、私の行ったミシン台のビンテージ風リメイクを気に入って頂き、「好きな物に囲まれた生活が送りたい」とお考えになったそうで、弊社にご依頼頂きました。

これからのお客様の素敵な暮らしを支える、長年の夢であった「大正ロマン風建具」。その制作を自分にご依頼頂き、「期待している」とお言葉を頂きました!

選んで頂いたからにはしっかり喜んで頂きたいと、メラメラと燃えて、この日から自身は大正生まれだと言い聞かせ、色々な施設に行き、色々な書物を買い、研究しまくりました。

実を言うと、私自身も大正ロマン建築は以前から大好きで、江戸川乱歩の世界観に痺れていた青春期でした(笑)

いつものようにお見積もりと図面を作成し、イメージの絵書いてプレゼンをさせて頂き、今回はこのイメージで決定。

今回リフォームするにあたってお客様から1点ご要望があり「取って付けた感のあるリフォームはNG」「最初からそこについていたと思うリフォームをして欲しい」とのことでした。これはリフォームあるあるですが、いくら良いリフォームをしても、今までの暮らしにマッチしない事はよくあります。これは「今からつける物」と「今までもこれからもある物」の間にイメージの離れがあるからではないかと考えました。その為建具の色は廊下の腰壁とほぼ同じ色に塗装屋さんに作って頂き、納まりもスッキリ壁に付くように建具屋さん、大工さんと打ち合わせを重ね、取り付けさせて頂きました!

今回は無垢材でペルポックという木種を使用しました!タモなどに比べて軽いので、これから使って頂く上で長持し、扱いやすいと考えご提案させて頂きました。塗装も塗りつぶし系ではなく、木目を活かすステイン系で仕上げて木の風合いを残しました!

工事が終わってお施主様にもお喜び頂いたことが一番ですが、大正ロマン風のモチーフを使って建具を計画・作成出来た事も自分の喜びでした!

これからも大正ロマン建築の真髄を追及して行きたいと思います!